地球には帰りません

パソコンでゲーム、たまに映画

KotCの続編について

  • 2011/11/30 (水) :
  • Knights of the Chalice
Knights of the Chaliceの続編、Fantasy World Engineを遊べるのは、残念ながらだいぶ先のことになるようです。KotC作者のPierre Begue氏がRPG Watchに明かしたことによれば、いま作っているのは続編ではなく軽めのRTSなんだとか。

Begue氏は理由を次のように説明しています。
  • 完成まで何年もかかるゲームより、まずは数ヵ月で仕上がるものをつくりたい。
  • KotCのエンジンを使いまわす場合、続編はまたもや低解像度でMIDI音楽、Windowsオンリーになってしまう。インディーズRPGの売り上げの半分はMAC版によるものとも言うから(2年前の話)、続編ではWindows以外にも対応したい。見た目もEschalonやThe Temple of Elemental Evilレベルにできたらいい。Neverwinter Nightsのようにユーザーが作った冒険を遊べるようにもしたい。だから流用するのではなく、一から作り直すことにした。
  • 当然それには時間がかかる。RTSと続編は共有できるコードが多い。例えば視線の処理とか。RTSをつくることは続編の土台を築くことにもつながる。
  • かといって続編をリアルタイム戦闘にするわけではない。
  • RTSで大金を稼ごうとは思っていない。
じゃあどんなRTSになるのか。
  • Dune2000に近いが、クローンではない。
  • より少ないユニット、しょぼいグラフィックス、でも優れたAI(予定)とマップエディターをつける。
  • 完成時期はまだわからない。続編よりは早く発売したい。
  • Windowsだけでなく、MACやLinuxでも発売する。
続編、Fantasy World Engine(=KotC2)について、明らかになっていること。
  • 2Dトップダウン視点、ターン制戦闘、4~6人パーティ制。
  • キャラ作成で選べるクラスや種族は、KotCの倍以上に増やす。
  • KotCと同じくプレステージクラス(上級クラス)はなし、マルチクラスも不可。
  • 作ったキャラクターで複数のモジュールを遊んでいく形式にする。
  • ユーザーがモジュールを作成できるようにエディターをつける。
  • アイテム作成はなくなる。「ドアごしに物音を聞く」も同様。
  • キャンプに回数制限をつける。
  • Win / MAC/ Linuxで発売。
  • 今現在、開発は初期段階のままストップしている。
kotc2_sample.jpg 

実際のスクリーンショットではなく、こんな見た目を目指したいとして貼られた画像。TRPGで使うマップ表示ツールだと思います。
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Darklands が GOG に!

  • 2011/10/15 (土) :
  • Teudogar / Darghul
10/16 修正: 変な表現が多かったので、直したついでにちょっといじりました。



DarklandsがGOG.comで買えるようになっています。$5.99

(おまけに今週末はAtariゲームのセール中。Blood、Master of Magic、Independence War、Alone in the Darkトリロジーやらが全部$2.99。Star Controlに関しては、シリーズ一番人気の2のリメイク The Ur-Quan Masters がフリー公開されています。)


で、Darklandsというのは……
  • MicroProse社から1992年に発売されたDOS用RPG。Windows以前のRPGのなかでも、特に評価の高い作品のひとつだと思います。
  • 舞台は騎士と教会と迷信とが支配する15世紀の神聖ローマ帝国領(ドイツとその周辺)。怪物や魔法も登場しますが、あくまで当時の伝承に沿ったかたち。PCRPGとしては珍しく、考証にもとづいてリアルな中世世界を再現することにこだわっています。
  • 最大4人のパーティで気ままに旅しながら、徳と名声を高めていきます。自由度が高いだけでなく、スタート地点とその後の展開が毎度違います。「自分で物語をつくる」感の強いゲーム。
  • あらゆるイベントは、雰囲気ある一枚絵と短いテキストで描写されます。旅と戦闘以外ではずっと選択肢からアクションを選び続けるテキストアドベンチャーゲームみたいな作り。サクサク進められますし、想像力も刺激されます。
  • 戦闘はいつでもポーズがかけられるリアルタイム制。 Baldur's Gateに似ています。 負傷のペナルティや武器ごとの鎧貫通力の違いなど、細かい計算が背後で動いています。
  • 普通のファンタジーRPGで魔法が果たす役割は、錬金術と信仰が担います。これらは戦闘で助けになるばかりでなく、イベントを解決する手段としても欠かせません。
  • キャラクターメイキングでは、美少女泥棒からいんちき坊主、天才錬金術師、信仰篤い老兵士まで、性別・年齢・経歴・能力を存分にいじれます。名前付けに困ったら、当時の人名リストからランダムに決めてもらうことも。
  • レベルや経験値なし。行動に応じて対応するスキルが成長。能力値そのものは滅多に上昇しません。
  • キャラクターは死んだらそれまで。戦闘だけでなくイベントへの対応を誤まった結果死んでしまうこともあります。宿屋でいつでも新しい仲間を探せるので、メンバーの死を受け入れて進めたい方でも安心。
  • 読みごたえあるマニュアル。長いデザイナーズノートと詳しい背景情報。
発売当時はバグだらけだったらしく、最新パッチのreadmeやファンサイトを読んでも、おかしなところはまだあるようです。 GoGが修正してくれていたらすごいですが、たぶんDosboxの設定ファイルを作っただけでしょう。コピープロテクションもそのままの模様(いきなり表示されるシンボル選びクイズは、コピープロテクションです。答えを間違えると強制終了してしまうので、マニュアルから正しいシンボルを探してください。もしくはこれを)。

なにしろ約20年前のゲーム。他にもジャーナルがない、不便なインターフェース、ドットが粗すぎて文字が読みづらいとか、 古さゆえの難点がたくさんあります。でも内容のユニークさと比べれば、もう些細な問題。Darklandsの野心的な作りは、初期のThe Elder Scrollsシリーズに影響を与えているそうです。戦闘の仕様ではたぶんBaldur's Gateにも。Teudogarが好きな方で、もし未プレイでしたら恐ろしいほどおすすめです。戦闘やアイテム探し以外でいろいろできるRPGの好きな方、ゲームブックの香りを嗅ぎたい方もぜひ。

Gengorou's Nonexistent Autobiography Darklandsを日本語で紹介されています
情報が充実したファンサイト (関連ファイルのダウンロードも)
確か日本語wikiがあったはずですが、探したらなくなっていました。残念。



プレイの例:

darklands_01.jpg

カーソルの上の黒い物体(人間です)がパーティシンボル。仕事を探して西に見えるズヴォレの街へ向かう途中。森の小道を進むうち、日が落ちてしまいました。 すぐそこなので、キャンプせずに歩いていると……。

darklands_02.jpg

イベントが発生。
「夜の大気の中を遠吠えがこだまする。狼どもが追ってきている! あなたたちは咄嗟に……
……群れを怖気づかせるため、火を焚いて守りを固める
……獣たちをなだめてくれるよう守護聖人に祈る
……錬金術でこしらえたポーションをぶつけて追い払う
……武器をかまえて向かっていく」


darklands_03.jpg

火を焚いて守りを固めることにしました。ところが。
「熱いよだれを垂らし、黄色い目をギラギラと光らせながら、狼の群れが迫ってくる。もはや戦うか食われるかだ。 この敵は降伏なんぞ受け付けない」
凄みがたらなかったようで、威嚇に失敗しました。

darklands_04.jpg

戦闘開始。ひとりが石弓を撃ち、残りは壁をつくって迎え撃つことに決めました。が、狼のスピードが速すぎて陣形を整える前に乱戦に。

darklands_05.jpg

なんとか勝利。
「狼どもは死んだか逃げていった。恐ろしい襲撃を生き延びたあなたたちは、安堵のため息をついた」
急いで街に走りこみます。

darklands_06.jpg

「あなたたちの前には、城壁で囲われたズヴォレの街がある。現在のエイセル湖(かつてのゾイデル湾) のほとりに位置するオランダの貿易都市だ。街はユトレヒト司教が任命した代官(Vogt)によって治められている。 ここいらでは顏を知られていないだろうと考えたあなたたちは……
……真昼間に城門へ向かう
……夜になってから城門へ向かう
……昼に壁をのり越える; 適当な場所を探すのに2,3時間かかるだろう
……夜に壁をのり越える; 適当な場所を探すのに何時間もかかるだろう
……街を迂回してよそへ向かう」


城門を通ると衛兵に通行料をせびられるので、夜に壁を越えることにします。降り立ったのは不気味に静まりかえる街外れ。前の街ではさんざんな目にあいました。ごろつきに全財産を脅し取られたり、衛兵に犯罪者扱いされたり。果たしてこの街ではうまくやれるでしょうか。まずは朝まで身を隠せる場所を探さないと。

という感じで進んでいきます。



※どうせならパッケージ版がほしいという方へ

まあ、ただ持っていることを自慢したかっただけなんですが。パッケージ版はときどきeBayに出品されます。知名度がないのか、メディアが劣化しやすいフロッピーディスクだからか、たいして値上がりもしないようです。何年か前にはどっかの倉庫に眠っていたらしい新品未開封が、$30ほどで大量出品されていました。買えたときはうれしかった。GOGで取り扱いが始まりましたから、今後さらに競争率は下がるでしょう。

ただ、コレクション以外の目的でパッケージを探す理由はもうないと思います。パッケージにはクルーブックがつきません。もともと別売なので。GOG版にないものはインストールガイドとキーボードインストラクション、チラシ類ぐらい。手に入れたフロッピーディスクがまだ読めたとしても、10枚を吸い出してパッチを当てるのは結構な手間です。紙マニュアルやマップの出来はたしかに良いものの、結局恐れ多くて手を触れられず、ネットで見つけたpdf版の方ばかり読んでいます。
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Dungeons of Dredmor v1.0.4 での変更予定

  • 2011/07/23 (土) :
  • Dungeons of Dredmor
07/23 微妙に修正



公式ブログの「Laundry Day」より。
  • 「穴にはまったことに気づいたら、まず掘るのをやめよ」Diggleの古い格言
    今日、私(Nicholas)はぐっすり寝て、3週間分の洗濯物を片付けた。
  • 女性主人公や追加モンスターなどのアートワークを頼むために、Chris Trioloをチームに招いた。ちなみに女性主人公の眉毛も太い。
  • Valveにopt-in beta program(登録式のベータプログラム)を可能にしてもらった。特別アクティブなコミュニティメンバーとマゾヒストは、「先行パッチテストプログラム」に招待される。詳細はまもなく説明。
  • MACの開発環境を用意した。MACユーザーに対し、Windowsユーザーと同レベルのサポートが可能になった。Linuxのみなさんはもう少し待って欲しい。
  • 300のセーブデータの互換性を5分でテストできる、特別バージョンのDredmorが完成した。
  • どこを修正していくべきか考え中。これからv1.0.4パッチで予定している変更点を書くけれど、ここにあなたの気にしている問題が載っていなくても心配しないでほしい。あなたの「愛したいけど愛せない役立たずスキル」のこともちゃんと面倒をみる。いつリリースできるかはわからない。いずれ知らせる。来週月曜からパッチに取り掛かるが、障害になりそうなのは8月1日の引越しだ。

v1.0.4の変更点(予定)


修正予定のバグ
  • レベル生成時のメモリーリークや異常タイル出現などの問題(?)
  • 地面の血によるラグ発生
  • Warriorが、選んだスキルによって正しい能力値補正を受けられず、Wizardは受けられすぎていた
  • autofillでアイテムが消失するバグが直っていなかった
  • This Translation is All Wrong!で、ダメージを計算に入れていなかった
  • WASD操作の問題(ドア部分にいる敵を攻撃できない)
  • -nomusicオプションがおかしかった
  • OS X 10.7でフルスクリーンにするとクラッシュ
  • Transmutationスキルが、スタックしたアイテムをきちんと変化させられない
  • 自動ルート機能がロックピックだけ拾わない、拾う設定もない
  • Dual wieldingが本来より弱くなっている(特にカウンター能力で)
  • Shieldスキルもおかしいらしいからチェック
  • モンスターがデバフ(能力減退)によってHP0になってしまう。そして大量のヘルスを持つ化け物に変化する
  • 眠っている敵がドッジ、ブロック、カウンターするのは変
  • ポーションのスタックが時々おかしくなる
  • クラフトツール使用時、通常スタックできるアイテムが素材スロットでもスタックできてしまうことがある
  • Thrusty、Zooの実績が取れないことがあった。その他の実績関係バグ
  • Zooから逃げた場合、全滅させたと認定されなかった(?)
  • Lutefiskキューブは、スタックしたアイテムとそうでないものをきちんと認識すべき
  • 素材スロットにおいたアイテムがセーブロードで見えなくなる
  • 罠、Brax、店関係の問題
  • ペットのアホさをなんとかする。特に攻撃対象の選択に関して
  • リーダーボードへスコアを送信する前に、データファイルのCRCチェックを行うべきだ(チートし放題なので)
  • ペットの二重召喚
  • 音楽ファイルのロードを専用スレッドに移す
  • Haywireが発生すべきところ(スペル)でまったく発生せず、発生すべきでないところ(Vampirism、トラップ)で発生している
インターフェースの改善
  • WASDキーで、箱、泉、Dredmor像、ドア、宝箱などもインタラクトできるようにする。マウスクリックで操作するものは全部WASDでも操作可能に。
  • 通常クリックをShiftクリックと交換した場合、Shiftクリックがおかしくなっていた
  • スタックしたアイテムを分割できるようにする
  • クイックセル(店でShift)で、アイテムの売値を表示
  • ベルトのアイテムもクイックセル可能に
  • 隣接するモンスターについては、ポイントせずとも、常にヘルスバーを表示
  • ミニマップのサイズとウインドウ位置をセーブするように
  • セーブを削除するとき、本当にいいのか聞く
  • ミニマップに、uberchest、クエスト女神、クエスト絡みのアイテム・モンスター、重要モンスター、Dredmorの位置を表示する。ユーザーがマークすることも可能にする
  • チュートリアルメニューでマウスホィールを押すとメニューアイテムを実行してしまう問題の修正(?)
  • 装備の性能比較ツールチップをつける
  • Vampireスキルの持ち主が、「何か食べて回復しろ」と言われるのはおかしいからやめる
  • 設定したゲームスピードをセーブする(今でも+/-キーで調節できるらしいんですが、うちでは機能しません)
  • 日本語表示のため、文字の処理にUnicode-8を使うようにする。日本語化チームがどうやるか教えてくれた
  • インベントリーの3番目の列にアイテムがはまりこむ問題(?)
  • ロックピックとsporeの作成作業を快適に
  • 持っているロックピックを使わずに、ドアや宝箱をけり開けることができるようにする
  • ペットをクリックしたとき、誤まって攻撃しないようにする
以下にサウンドを追加
  • Electroblobby の攻撃
  • クロスボウ
  • 宝箱を開ける
  • WASDで歩くときの足音
  • メニューのクリック音をいじるかも
バランス調整
  • Vampirismを非魔法キャラにとっても使いやすいものにする。haywireを頻発していたのも修正
  • ロックピックとsporeの売値をゼロに(どちらもスキルで無限生成できるので)
  • This Translation is All Wrong!はバグのせいもあって、強すぎた。効果をおさえる
  • Smithingスキルで作成できるアイテムを増やす
  • Necronomiconomicsスキルは使いづらすぎる(自爆的すぎる)
  • Ley Linesスキルを面白くする
  • 投げ物も作成できるように
  • 矢などの回収率をさらに上げる
  • Heavy Armourに、piercing(刺突ダメージ)に対する耐性を加える
  • obvious fireballをさらに弱体化する。前のパッチでの弱体化はobviousではなかった
  • WitchyとMonstrous Maskは鬱陶しすぎる。蘇生スペルを連発しないようにする
  • Lord Dredmorをさらに強化する。スタン耐性もつける
  • Acid boltトラップを1段階弱める(?)
  • Monster Zooは1階層ごと1個だけにする。そして中にアーティファクトを置く。
  • ユニークモンスターのXPを増やす
  • Deadshotスキルがどうしようもない
  • Kleptoblobbiesが盗む確率を下げる
  • Corruptionは武器だけでなく鎧も劣化させる
  • 自動レストボタン(回復までターンスキップ)を求める声に真摯に耳を傾け、それに応えるまともな方法をひねり出す
新しい楽しさ
  • Sinks of Mutation
  • Footy Laser Beam Cannonで遊ぼう
  • Procs on Armour
  • 知性を持つモンスターは、ドアを開けられるようにする
  • No Ticket! Remember Your Charlemagne!
  • Diggleの自動販売機修理人
  • 4階と8階にお楽しみを追加
  • 1階と2階に部屋を増やす
  • 実績をもっと
  • ユニークをもっと(アイテムとモンスター?)
  • Insult Tableと戦おう
  • Graves(ワイン?墓所?)
いつもながらですが、勝手にはしょったり、書き換えたりしてあります。(?)は特に訳に自信がないか、書いてある内容自体の意味がわからないところ。

太字は感銘を受けたところです。遊んでいて不満を覚えた点が、ほとんどすべて修正予定に入っています。すごい。これまでのパッチとは違って、完成までに時間がかかりそうですけれど、楽しみ。
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Dungeons of Dredmor の感想

  • 2011/07/19 (火) :
  • Dungeons of Dredmor
07/21追記: 時間経過で食料が劣化するなんて仕様はなかったようです。itemDB.xmlにもそういうパラメータはありませんでした。チーズや生肉がインベントリーのなかでAged~に変わったのを見たような気がしたんですが、劣化状態のものを別に拾って、元のは食べてしまったのを忘れただけなんでしょう。また、ここに書いた不満点のうち、キーボードでの攻撃については、昨日のパッチで可能になりました。

dredmor01.jpg

Dungeons of Dredmor、しばらく遊びました。文字だけのローグライクRPGと比較すれば、操作以外でもいろいろと簡略化されています。キャラ作成やレベルアップ時にできるのはスキルを選ぶことだけ。「鑑定」や「探索」も不要です。飢えのプレッシャー、ランプに油を注ぎ足す、物を持ちすぎて溺れる、ドアにくさびを打ち込んで立て篭もる。そういうリアリズムは、このふざけたダンジョンにはありません。「死んで覚えろ」と言わんばかりの仕掛けも最小限。数々の風変わりなスキルやアイテムを入手して、風変わりな敵にぶつけまくることに没頭できます。敵を罠に誘い込むのも楽しいですし、普通に殴っているだけだって、クリティカルやノックバック、カウンター攻撃が連発して爽快です。詰まったら前の階に好きなだけ戻ることもできます。

それでもやはりローグライクを名乗るだけはあり、雑なプレイだとすぐ命を落とします。雑でなくても、不運の連続や予想外の強敵によって、やっぱり死にます。昨夜は10回目のトライがまた失敗に終わりました(難易度中、クラッシュで消滅した眉毛を数えればもっと多いです)。ダンジョン各階の中身は、毎ゲームある程度共通しているのですが、有効な戦法は選んだスキルでガラリと変わってきます。特殊攻撃持ちの敵がひしめく深層階で生き延びるために、まずは34のスキルカテゴリーから自分なりのビルドを見つけ(スキルの数は100を超える)、さらに装備ボーナスをうまく使って24の能力値と16の耐性を高めていく必要があります。暴れる楽しさ、適度な複雑さ、死ねない緊張感がちょうどよく同居していると思いました。チーズをインベントリーに放置しておくとカビが生えてきたりと、妙なこだわりも魅力的です。

ユーモアに関しては、やけにチーズの種類があったり、ルーテフィスク(ノルウェーの奇怪な魚料理)の神だとか明白なものと、説明文の妙で笑わせようとするものが半々ぐらい。私には「面白そうなことが書いてある」程度しかわからないジョークも多くて悔しいです(日本語化を進めている方々がおられます)。でもわからないなりに、居心地の悪さは感じません。グラフィックスに関するすべてのとまどいは、髭ゴーレム (mustache golem)が現れた瞬間に消えました。彼を見ていると、欧米のゲームを遊んでいて感じたことのない不可解な感情が沸いてきます。このゲームをプレイしなくなっても、眉毛と髭ゴーレムのことは忘れないでしょう。

とても楽しんでいますが、不満もあります。マニュアルがない。キーボードで攻撃できない。インベントリーの枠が少ないので素材を持ち歩けず、せっかくのアイテム作成機能が活用しづらい。1階ごとの面積がかなり広いため、同じ数種のモンスターと戦い続ける時間が長い。落ちているアイテムをすべて店に売ろうとすれば、道のりを何度も往復する羽目になる。回復待ちのスペースキー連打も億劫なので、いっそ全快まで休むボタンが欲しいところです。プレイヤーを「飢え」で急かさないこのゲームでは、あえて探索しない、売らない、回復しない理由がありません。それが面倒に感じてきたとき、「じゃあやめてさっさと先へ進もう」と考える方と、「損はしたくないから我慢する」という方がいると思います。後者にとって、現時点でのDungeons of Dredmorはややテンポが悪いかもしれません。

リリース時には、クラッシュの頻発という大問題がありました。これは2度のパッチで大きく改善されたんですが、依然バグ、インターフェースの問題は多いです。例えばスタックしたアイテムの分割に、とても奇妙な手段を取る必要があります(クラフトツールの素材スロットを使う)。バランスを崩壊させる裏技的なテクニックもいろいろ報告されています。開発チームによれば、まず根幹をしっかり安定させたうえで、MODのサポート、スキルのバグ修正、バランス調整と内容充実を図っていくつもりだそうです。まもなくリリース予定のパッチ第3弾の変更点には、クラッシュ対策の自動セーブ、キー変更、アイテム操作の改善、AIがスペル使用に超消極的だったバグの修正、Steam実績の大量追加などが並んでいます。

公式ブログによると、売り上げは「数値は出せないが、きわめて喜ばしい」レベルとのこと。一時はSteamの「売り上げ上位」リストのトップにありました。$4.99というインディーズRPGとして常識外れの安さでも、7人チームで満足のいく利益が出るほどに、数売れているようです(Inariaは同じく$4.99でしたが、作者自身が失敗を認めておられました)。考えてみれば、「ローグライクは面白そうだけど、見た目が地味だし陰気だし鬼だし複雑すぎる」という声に応えるもの、不思議のダンジョンシリーズに相当するものが、これまで英語の市販PCRPGにはなかったと思います。Diabloが開いた道の方にみんな行ってしまったので。Dungeons of Dredmorは、その隙間にうまいことはまったのかもしれません。それとSteamがインディーズゲームを売る力ってすごいなと、あらためて。

日本語化プロジェクト
日本語Wiki
英語Wiki (A) (B)
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Knights of the Chalice が素晴らしい

  • 2011/04/29 (金) :
  • Knights of the Chalice
Knights of the ChaliceというインディーズRPGについて。Dungeons & Dragons 3.5版ルールにおおむね基づいたパーティ制RPGで、戦闘はターン制です。発売は2009年。その年のGameBanshee最優秀インディーズRPG賞を受賞していますから、おそらく有名なゲームなんでしょう。£14.95。ひさびさ再プレイしたところ、やっぱり面白かったので感想を書きます。

kotc_b006.jpg
ドラゴン退治に理由などいらない。リアルタイムアクションと派手な演出はもっといらない。ヘルスポーションですら必要ない。AIが本気で殺しにくればただそれでいい。という方を対象に作られたようですが、該当しない私でも心底楽しかったです。

このゲーム、もちろんTeudogarとは何の関係もありません。でも知った時期がかぶっていたので、なぜだか比べてしまいます。共通点があると思います。どちらもグラフィックスは、Ultima6、7あたりの、今見ると奇妙な立体表現をわざわざ踏襲。ターン制の戦闘。そして、幼少期からRPGを遊んできた30歳前後のマニアな方が、チームを組まずにたったひとりで(アーティストの協力はあっても)、時間をかけ作り上げた初の長編RPG。大手ダウンロード販売サイトに頼らず公式のみの販売。主張の激しい極端なゲーム内容ながら、やけに作りが丁寧なのも共通しています。ただ肝心のやろうとしていることは180度違いまして、そこが面白いなと思いました。

Teudogarは、プレイヤーに古代ゲルマン人らしい行動を取らせるため、戦闘・アイテム・成長に頭が行き過ぎないような作りになっていたんじゃないでしょうか。経験値を使わず、アクションに応じて勝手にスキルが伸びる方式だったり、キャラクターシートの数値が全部隠されていたり、戦闘の機会も、勝って得るものも少なかったり。そういうことより、考証にもとづく細かいリアリティやNPCの生活感、台詞から浮かびあがる歴史背景を楽しんでよ、との意図が強く感じられ、いかにも歴史好きな人のつくったRPGだったと思います。

一方、Knights of the Chaliceを制作されたPierre Begueさん(イギリス在住)は、そういう方向性のRPGにはまるで興味がない人みたいです。フォーラムでの発言、KotCのデザイナーズノート、インタビュー、RPGレビューを見ると。
  • ターン制の戦闘システム、特にD&Dのそれが好きだ
  • 序盤からハードな戦闘の繰り返しでなければつまらない
  • キャラクターの外見なんか、装備の反映も含めてどうでもいい
  • パーティメンバー同士の会話、交流イベントも不要
  • RPGをリアルにしても楽しくはならない、数値は隠さず全部見せるべき
  • スケーリング(プレイヤーが成長すると敵も強くなる)はダメ
  • 取ったアクションに応じてスキルが成長するシステムも嫌い
  • 3D部分に力を入れれば入れるほど、ゲームはつまらなくなる
  • ひとりで冒険するのより、パーティ制の方がよっぽど面白い
最近流行の一人称/三人称視点アクションRPGなんぞ論外。RPGの楽しさはハードで複雑なターン制戦闘であり、キャラクター成長である。グラフィックスはもちろんのこと、ストーリーや世界設定だのは脇役に徹するべきだ。推測混じりで勝手にまとめてみました。

史上もっともストーリーの優れたPCRPGと言えば、よくPlanescape Tormentの名前が挙がりますが、Begueさんはそれすらも「退屈」と切り捨てています。Might & Magic 6、Daggerfall、Dungeon Masterなど一般的には名作扱いされそうなタイトルも、戦闘部分に不満があって好みではないとのこと。優れた作品には、DOS時代のSSI社によるAD&Dゲーム群、特にDarksun Shatterd Lands、他にはBird's Tale 2、最近では唯一The Temple of Elemental Evil。リアルタイム3Dで許せるゲームとしては、Ultima Underworldを挙げています。私がパソコンを持ってすらいなかった時代の、いわゆるオールドスクールなPCRPGを熱烈に愛されている方なんでしょう。

Knights of the Chaliceは、そういうBegueさんの好みを強烈に反映したゲームに仕上がっています。ファンタジーRPGの戦闘部分(もちろんパーティ制かつターン制)を、どれだけ面白く出来るかという点にはとんでもなく力が入っています。まずはD&D3.5版ベースの詳細な戦闘・魔法システムがあります。そのうえで、リソースが限られているなか、敵との連戦をどう切り抜けていくか。経験値とマジックアイテムで、最強のパーティを作り上げるにはどうするか。ほとんどストラテジーゲームかというぐらいそればっかり。

すべてのクエストはダンジョンでの戦闘なしに解決できません。凝ったストーリーを語ろうという色気も一切見せません。世界設定なんか超おざなりです。主人公の所属する騎士団、Knights of the Chaliceについて、「いい騎士団」以上の細部はほとんど語られず、敵は邪悪だから邪悪。舞台となるCrimson Coastも、名前以外に何の背景設定もありません。

kotc_b000c.jpg
ワールドマップでいくつかの町を巡り、NPCからクエストを受けて、各地のダンジョン(手作り)に挑む。お話は一本道。セーブは戦闘時以外いつでも可。天候と昼夜の変化はあるが、時間の概念はない。

私はどちらかというと、Morrowindみたいな仮想世界放浪系や、ストーリー性の強いDragon AgeみたいなRPGが好きなので、Begueさんの硬派古強者すぎるRPG観にはあまりついていけません。それでも、このゲームは面白いです。すごく偏っていて、すごくよく出来ていると思います。一番近いのは、The Temple of Elemental Evilでしょうか(Dark Sunに似せて作ったそうですが、未プレイなのでわかりません)。タクティカル要素の強いパーティ制ファンタジーRPGが好きな方には、またD&Dが好きな方には、たまらないゲームじゃないかと思います。

D&Dのルールを勝手に使っていいのか、それもシェアウェアで、という点。D&Dの権利を保持するWizards of the Coast社は、オープンゲームライセンスに基づくオープンゲームコンテンツという形で、D&Dルール(3.5版、4版)の自由な使用を許可しているそうです。一定の決まりさえ守れば、誰でも金を払わず使えるということみたいです。

KotCのシステムは、オープンゲームコンテンツであるD&D3.5版ルールに、独自の改変を施したものです。改変とは、まずキャラ作成時に選べる種族が人間、ハーフエルフ、Mul(ハーフドワーフ)しかありません。クラスもナイト、クレリック、メイジの3種類のみ(マルチクラスも不可)。Featはありますが、Skillはばっさりカット(CraftのみFeatとして残されています)。他に、近接攻撃のリーチ(届く範囲)が全部1マス、魔法を記憶する必要がない(代わりに一日の使用回数制限あり)などなど。削られた部分はたくさんあっても、残った部分については、D&D3.5版にほぼ準拠しているようです。

冒険を始めるにあたって、4人分キャラクターを作ります。決めるのは、名前、性別、種族、クラス、能力値、Feat(特技)、スペル、おまけで生い立ち。 3種族×3クラスのなかでも、有効な組み合わせはだいたい決まっているので、キャラクターメイクとパーティ構成における自由度は低めです。そこは欠点といえばそうかも。ただ、種族とクラスを絞ったからこそ、戦闘難易度をうまいこと調整できたというのもあると思います。

kotc_b004.jpg
キャラクターメイキング。外見は種族、クラス、性別から自動決定。ポートレイト選択はありません。戦闘ばっかりなので、アラインメントもほとんど意味を持ちません(ゲーム中の変化もなし)。

KotCの戦闘のどこがそんなに面白かったかと言いますと、まずベースとなっているD&D3.5版の戦闘システムそのものが、よく出来ているんだろうと思います。近接戦闘だけでも、奇襲時の棒立ち(Flat-footed)、突撃(Charge)、背後からの攻撃(Flanking)、包囲(Surrounded)、取っ組み合う(Grapple)、1マス突き飛ばす(Bull Rush)、機会攻撃(AOO)、それを避ける5 foot stepなど。遠距離戦闘では、矢のリロード、障害物によるカバー効果。魔法では、効果の様々なスペルが150種類以上も用意され、このスペルの詠唱には声だけでなく手の動きが必要だから、羽交い絞めされると使えない、でもあるFeatを取れば音声だけで唱えられるとか。ファンタジー小説・映画風の戦闘シーンが自然と目に浮かんでくる、細かくて面白いルールがたくさんあります。

そして敵AIがそのルールをフル活用してきます。魔法や特殊能力を巧みに使いこなし、せっかくかけた呪いはディスペルされ、眠らせた敵は同僚が叩き起こし、Webはファイアボールで焼き払われ。5 foot stepでナイトのAOOを回避しながら、メイジを羽交い絞めにして魔法を封じてきます。変な行動をする時もあるにはありますが、それにしてもかなりの賢さではないでしょうか。「AIには特に力を入れた」と言う通りの出来栄えだと思います。

それでも同じような戦闘の繰り返しでは飽きますが。40種類近いモンスターが、毎度微妙に異なるグループ構成、シチュエーション(大部屋、狭い通路、不意討ちなど)で現れます。おかげで戦闘ばかり延々と続くのに、不思議と苦痛になりませんでした。

もちろんすべての行為は、D&D同様、20面体サイコロを振って成否が判定されます(出目は全部ログに残ります)。非常に詳細なヘルプ機能がついていますから、D&Dを知らない方でも支障なく遊べます。

kotc_b000.jpg
最初の戦闘。意外にも(?)親切なつくりで、攻撃時は命中率、魔法なら結果予測を事前に表示。また左上ログの数値をクリックすると、サイコロの目はいくつだったか、どんな修正値が加えられたかすべて確認できます。能力値やアーマークラスも、なぜその値になるのかクリックで一目瞭然。ヘルプ機能がとにかく充実しています。全コマンドにショートカットキーがあるのもありがたい。また、麻痺した敵をクリックすると自動的にCoup de Grace(とどめを刺す)を狙ったことにしてくれるなど、複雑なルールを快適に遊べるような工夫が凝らされています。

KotCは、なかなか難しいゲームだと思いました。理由は…
  • 敵AIが賢い
  • 戦闘前の能力アップができない
    戦闘外で使えるスペルはごく限られています。わざと、だそうです。
  • 開始位置を選べない
    ほとんどの場合、敵の出現はスクリプトで行われます。一匹ずつ釣り出したり、有利な地形を選ぶ戦法が取れません。いきなり敵の群れのど真ん中から戦闘が始まることも頻繁です(不意討ち)。
  • 逃げられない
    戦闘が始まったら、勝つしかありません。例外としてワンダリングモンスターからは逃げられます。
  • 同士討ち
    矢や投射魔法が外れた場合、射線上の誰かに命中することもあります。壁役の頭越しに攻撃することが多い弓使いやメイジにとって厄介な問題。範囲魔法は言うまでもなく味方にも当たります。
  • 状態異常の回復が難しい
    キャンプですら消えないものも。
  • 死の扱いが重い
    4人しかいないので、ひとり倒れると極端につらくなるのはもちろん、蘇生時に経験値がレベル初期値へとリセットされてしまいます。ペナルティなしでの蘇生は、クレリックが最上位魔法のTrue Resurrectionを覚えるまで待たなくてはなりません。
  • 魔法は回数制
    レベル3、INT18のメイジは、1日に1レベルスペル3回、2レベルスペル2回しか使えない。回数はキャンプで回復します。
  • ポーションは存在しない
    なんと、ありません。しかも…↓
  • 神聖魔法を使えるのはクレリックのみ
    スペルを封じ込めたスクロールやワンドは、もともとそのスペルを唱える能力があるキャラクターだけにしか使えません。つまりナイトやメイジが回復魔法を使うことは絶対にできないわけです。クレリックが倒れた瞬間、パーティの回復手段がなくなります。
  • 好きにキャンプできない
    キャンプさえすれば、魔法回数もHPも全回復するのに、作者の定めた場所でしか行えません(各ダンジョンに1~3ヵ所ぐらい)。
  • 一度ダンジョンに入ると、クリアまで街に戻れない
    戻れる場合もありますが、たいていは入り口が崩れたりで閉じ込められます。
  • 敵の自動レベル調整がない
    間違えて身の丈にあわない高難度ダンジョンにさまよいこんだらおしまい。
  • 店が少なく、在庫が補充されない
    金にものを言わせ、強力なスクロールを買いまくるとかができません。
  • 物が持てない
    持てるのは、ひとり16個、パーティで64個まで(装備は除く)。アイテム倉庫もありません。
「お手軽プレイ」ができるような余地はことごとく、これでもかというぐらいに潰されています。一度ダンジョンに入ったら、キャンプ可能ポイントを見つけ出すまで、クレリックの回復魔法のみが命綱。後のことも十二分に考え、HPや魔法回数をできる限り減らさずに戦う必要があります。

ハマリ状態が発生しすぎないように、救済措置もあります。対応するFeatを覚えたキャラクターは、戦闘中以外いつでもどこでも、アイテムを作成できます。ただし作成時には、金と一緒に経験値を消費します。作ってばかりいると、そのキャラクターだけ成長が遅くなっていきます。作れるのは…
  • スクロール、ワンド
    習得スペルをスクロールに書ける/ワンドに封じ込められる。
  • 武器、鎧
    タイプ、材質、品質を好きに選べます。
  • 武器、鎧にエンチャント効果を付与
    強力なマジックアイテムを自由に作れます。
  • アクセサリー
    能力をアップする指輪など。
完成品の性能は、作り手のレベルとともに上がります。最終的には、ゲーム内に存在するほぼすべてのマジックアイテムを、プレイヤーの手で複製できるまでになります。材料も用意せずにダンジョンの廊下で鎧を作るだとか、まったくリアリティはありませんが、様々なエンチャント効果を組み合わせる作業が楽しかったので、そのうちつっこむのをやめました。

スクロール・ワンドをつくることで、魔法の使用回数制限は無視できます(経験値を代償に)。また、吸血鬼が出たけど銀の武器がないとか、敵が炎のブレスを吹いてくるのに誰も火炎耐性がないといった状況で、戦闘前に必要なアイテムを作ってしのぐことができます。できます、というより、そうやってなんとか勝っていけるバランスになっています(特に情報のない1周目は)。

かなり難しいんだけど、あらゆる手を総動員すれば乗り越えられる。そのバランス調整がうまいと思いました。敵が怖いからこそ、ラストまで緊張感が途切れません。キャラクターを成長させる喜びも実感できます。1レベルでは、4人がかりで虫一匹に手こずっていた哀れなパーティが、最大の20レベルともなれば神話級の殺戮マシン軍団に。もし物足りなければ、The Temple of Elemental Evil同様のIronmanモードも用意されています(ゲームオーバーでセーブデータ消失の鬼モード。私は挑戦する気すらおきませんが、クリアした人もいるそうです)。

kotc_b001.jpg
「ムハハハハ、私が悪いオークだ」。NPCは常に単刀直入、余計なことはしゃべらない。

上で書いたように、全体としてのストーリーはないも同然です。一応D&Dの古いサプリメント(Scourge of the Slave Lords と Against the Giants)から展開を拝借しているそうですが、戦闘の理由付け以上の深みはまったくありません。手抜きというより、狙ってのことなんでしょう。NPCが2度目には最初に言ったことの要約を話したり、ジャーナルのクエストまとめが詳細だったり、そういうところは丁寧です。

また、小さなイベントは豊富です。選んだ選択肢によって、その後の戦闘に多少有利不利が出たりもします。例えば、上の画像のようにどっちに味方するか?だとか、モンスター相手のレストランでふるまわれる食事を食べようか?とか。パズル的なイベントも、ごくわずかながらありました。

クリアまでのボリュームは、全クエストクリア、マップをすべて踏破するまで、55時間ぐらいかかりました。リトライ時間を除いてですので、実際はもっとかかっているでしょう。これはたぶんかなり遅い方で、早い人は30時間程度でもクリアできるらしいです。なんにしても、ボリュームはあると感じました。

未プレイの方がいらっしゃれば、本当におすすめです。インディーズRPGの傑作のひとつだと思っています。

デモがあります


デモのダウンロード

固定キャラで、デモ専用に作られたシナリオを遊べます。狭いマップにたくさんのイベントを詰め込んであるため、多少不自然になってしまっています。製品版ではこんなシーンはありません。また難易度はもうすこしマイルドです。
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BBLE ガイド(2) キックオフ!

  • 2011/03/07 (月) :
  • Blood Bowl
Blood Bowl LE@ウイキ

PC版Blood Bowlのルールでわからないことがあれば、ぜひ上のサイトをご覧ください。試合手順、判定に使う表、スキル効果などの和訳が簡潔にまとめられています。またWikiを立ち上げたFlexscanさんのブログでは、日本人向けプライベートリーグの参加者を募集しておられます。

ということで、第1回では「自分なりのマニュアルを作りたい」と書きましたが、その必要はなくなりました。そこで方針をすこし変えて、細かなルール説明は省き、余計なことを多めに書くようにします。シングルだけでなくマルチの話も混ざるかもしれません。

長い名称は略すことにしました。
Blood Bowl = BB
Blood Bowl Legendary Edition =BBLE、もしくはLE
Competition Rules Pack = CRP

サイコロの表記。
2D6=6面サイコロ2個、2~12
1D6=6面サイコロ1個、1~6
1D3=6面サイコロ1個/2(端数切り上げ)、1~3

前回は試合直前まででしたので、今回は試合開始直後のあれこれになります。

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BBLE ガイド(1) 試合をはじめるまで

  • 2011/03/02 (水) :
  • Blood Bowl
Blood Bowl Legendary Editonがやけに面白いです。そこで簡易マニュアル的なものをまとめてみたくなりました。プレイ人口が増えて欲しいのもありますが、自分自身ルールをきちんと理解したいと思いまして。マルチのことは後に回し、とりあえずシングルプレイヤーモードを前提に書いてみます。リアルタイム操作関連も除外します。マニュアルに書いていないことは、すべてCompetition Rules Pack(別名Living Rule Book 6)を参考にしました。まず試合に至るまでのあれこれです。

bble_help_1.jpg
ボードゲーム版をご存知の方も、そうでない方も、ブラッドボウルいかがでしょうか。わずかなユニットにシンプルなルール、展開はスピーディでも奥は結構深そう。シングルはボリューム満点ながら、同じことを繰り返す性質上、飽きやすい面もあるかもしれませんが、マルチがとても気に入りました。今のところ遊び相手もすぐ見つかります。

2011/03/07 間違いなど修正
2011/03/09 さらに大会形式部分をちょっと修正

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球技+殴り合い+サイコロ=ブラッドボウル

  • 2011/02/20 (日) :
  • Blood Bowl
最近はBlood Bowl Legendary Editionを遊んでいます。ルールを理解するにつれ、俄然面白くなってきました。元ネタのWarhammerやアメフトをほとんど知らず、長いこと購入をためらっていたんですが、もっと早く買っておけばよかったなと思います。前知識なんてまったく要りませんでした。

ジャンルは一応スポーツゲームになるんでしょうか。本当に一応。なにしろターン制アメフトゲームというだけでもユニークすぎるのに、選手はファンタジー世界の住人で、買収から殺人までなんでもありです。エルフやオークはわかるとしても、ミイラ男や混沌の化け物が真剣にボールを奪い合う光景は、なかなか普通ではありません。ゴブリン審判が笛を吹き、チアリーダーのスケルトンが腰をくねらせ、吸血鬼とオーガーのコンビが楽しそうに実況し…。徹底した悪ノリで、アメフト風の架空スポーツBlood Bowlの試合と、それを取り巻く環境を再現しています。

bble_b00.jpg
ブラッドボウルとは:
膨らましたブタの膀胱を用いて相手チームと得点を競い合う旧世界の球技である。ルールはアメリカンフットボールを原型としているが、著しく知能の低い選手および観客に配慮して単純化を重ねた結果、今日の形となった。ランプレイ、パスプレイ、ラフプレイ、あるいは金の力によって相手チームのエンドゾーンにボールを運べば1ポイント。試合終了時の合計ポイントにより勝者を決定する。相手選手への無意味なタックル、暴言、ボールに絡まない暗殺、むさぼり食う、戦車で轢く、爆弾を投げる、その他の危険な行為は稀に反則とみなされる。万一試合中に死者が出た場合、その場に速やかに埋葬すること。また試合結果が不服ならファンはコーチを食べても良い。近年ブラッドボウルの人気は高まる一方で、ケーバルヴィジョンによる試合中継が始まると、各地の墓場からファンが蘇り、いつもは冒険者でにぎわうダンジョンもひっそりと静まり返ると言う。

コンセプトこそ非常にバカバカしいんですが、二十数年の歴史を持つボードゲーム『Blood Bowl』の公式PC版なので、作っている人達は大真面目のようです。開発はフランスの会社Cyanide Studio。ここは以前、Blood Bowlに似たゲームを勝手に作って、ボードゲーム版発売元から訴えられた過去があります。両者は結局和解し、Cyanide Studioにはオフィシャルゲームの制作権が与えられました。そしてできあがったPC版は、ボードゲームの最新ルール(Competition Rules)にほぼ準拠、すべての追加変更部分はオプション扱い。オリジナルの作者とファンに、非常に気を使って作られています。

経緯としては、まず2009年にシリーズ1作目のBlood Bowlが発売されました。この時はボードゲーム版の21種族に対して8種族しかなかったんですが、パッチで1種族追加されます。パッチ適用したものをタイトルを変えて販売したのがDark Elves Edition。2010年のLegendary Editionでは、さらに11種族が追加されたほか、様々な改良が施されています。Legendary Editionは、以前のBlood Bowlとは互換性のないまったくの新作です。拡張パックではありませんし、Dark Elves Editionからアップグレードすることもできません。

日本語版は出ていません。ですがMorrowindの翻訳でも有名な英二鹿さんが、日本語化を進めておられます。

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Magicka クリア、マルチの感想など

  • 2011/02/04 (金) :
  • Magicka
magicka_08.jpg
チャレンジモードCoop。僕の蒸気ビームを見て! >> 俺は嵐が呼べるんだぜ! >> それなら私は隕石雨だ! >> Defeated

Magickaのアドベンチャーモード、クリアできました。独力でのクリアは自分には無理だろうと思っていただけに、喜びもひとしおです。チャプター5、6、11辺りはもう頭がどうかなりそうでしたが……。

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Magicka 血みどろ魔法アクション

  • 2011/01/29 (土) :
  • Magicka
Magickaというゲームを買いました。Steamで$9.99。31日までに買うと、特典でちょっとしたDLCが付いてきます。

画面は一見RPGのようですけれど、レベルも所持金もクラスも何もない、呪文の記憶と操作がすべての完全なアクションゲームでした。場面によっては、かなり忙しい操作が要求されます。ひとりでも遊べますが、Coop(協力プレイ)重視の設計となっているようです。

magicka_04.jpg
バカバカしいノリでも意外と奥が深い。エレメントを組み合わせて呪文を作り、群れで押し寄せる敵を味方もろともなぎ倒す。どぎついゴアがだんだん快感に。

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