Frozen Synapse の強力なライバル?

フランスのBrain Candyが制作中のFray。ターン制の銃撃戦ストラテジーです。
近未来のバーチャルアリーナで、巨大企業3社のチーム同士が戦います。ゲームはFrozen Synapseと同じく、 命令フェイズと解決フェイズの繰り返しで進行。まず行動プランを作成し、実際にユニットが行動するのは解決フェイズで双方同時に、 というやつ。
2012Q1にPC/MACでリリース予定で、 今月中に公式サイトとDesuraでプレオーダー受付開始とのこと。 予約者はアルファ版を先行体験できるほか、おまけでフレンド用にキーをもう一個もらえます。内容から売り方まで、Frozen Synapseと共通する点が多いです。
リードプロデューサーのAlexandre Avenard氏は、Frozen Synapseについてコメントを求められ、 次のように答えていました。 「Frozen Synapseを知ったのは、 Frayの開発を始めて数ヵ月経ってからだ。 Mode7がFrayと似たデザインのゲームを作っていると知って、当時驚いた。 それによって勇気付けられもした。(中略)でもあちらを知る以前にデザイン上の決断の多くを下したから、 ふたつのプレイ感覚はだいぶ違う」。
具体的には、以下のような違いがある模様。
- 移動はヘックスで行う。
- マップはランダム生成ではない?
- 思考時間に制限を設ける。だいたい1ターン40秒~1分程度。1戦は20~25分で終わる。
- ということはたぶんプランのテストはできない。
- メディック、アサルト、タンク、スナイパーなど6種類のクラスから4人選んでオリジナルチームを作る。
- ユニットはゲームのたびに経験を積み、RPG的に成長する。最高20レベル?
- 25種類の武器、装備、スキルなどを組み合わせてユニットカスタマイズ。
- 映画的に演出される解決フェイズ。
- Unityエンジンのポテンシャルを活かした美しいグラフィックス。
- とりあえずマルチ専用。シングルは未定。
一方Frayは単純にタイムリミットをつけて急かし、 その場でゲームを終わらせろというアプローチ。うまくいけばRTSのようなスピード感を保ちつつ、 操作量はごくわずかというゲームになりそう。うまくいかないと、Blood Bowlの40秒モードのような脳の拷問になりそう(私にとってはですが)。
同じインタビューから。
「伝統的に分隊指揮ものストラテジーはターン制のメカニクスを採用してきた。 問題はそれらのデザインがボードゲームにきわめて近いところだ。それぞれのキャラクターに命令を出したり、相手のターンを待つことは、 ゲームのリズムを寸断してしまう。X-comやJagged Allianceの時代はそうした作りが一般的だった。3Dの黎明期であり、 コンソール市場はまだ小さかったから。だが処理能力と描画能力が向上するにつれ、ゲームのペースはどんどんと速まった。 大多数のプレイヤーの興味に沿って、技術的な進歩はリアルタイムのゲームへと向かっていった。
分隊指揮ものストラテジーについて、今日のゲーム業界が抱える最大の困難は、 このジャンルがリアルタイム進行にうまくフィットしないことだ(Dawn of War 2は異論があるだろうが)。 このジャンルは伝統的にターン制であり、大手はターン制のゲームを作るのにしり込みする。ニッチすぎるとされているから。 新タイトルは毎年登場していて、ジャンルが必ずしも死を迎えつつあるわけではない。だが残念ながら認知度は低い。理由としては、 ここ10年でゲームを始めたプレイヤーが、そもそもジャンルの存在を知らないというのが大きい。したがってタクティカルなゲームを求めるゲーマー、反射神経頼りの高速アクションだけでなく思考のチャレンジも求めるゲーマーは、 独立系スタジオに期待するほかない。
Frayはアクション満載だが思考も必要となるゲーム。Frayによって我々は、 FPSプレイヤーをストラテジーゲームに引き込みたい」。
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